変化

自分は亜弥さんに執着しなくなったと思う。
興味がなくなったという事じゃ全然ない。
こうであって欲しいと思わなくなったという表現が当っているかな。
彼女のことをオンナだと感じるようになった。
「まだ修羅場は一度も経験がないんです。」
彼女はそう言ったが、経験してみてもいいんじゃないって思えるようになった。
アイドルって一体何だったのだろう。
他人のつけた付加価値に踊らされて身勝手な夢を押しつけていた。
彼女は何処にでもいる普通の女の子だった。
それが口先だけじゃなく心で感じられるようになった。
だから、何も望まなくなった。
何も望む必要がなくなった。
素直に彼女を応援できるようになった。