101回目のKISSレポ(情景視点)


今から話すからみんな座ってね。
そんな気遣いをしてくれる亜弥さんに心が揺れた。


自分は幾つに見える?って年齢の話題をして、
自分は本当は25歳なんだよって敢えて惚けてみたり。
化粧してるから老けて見えるんだよっ、
午後の紅茶」の私がすっぴんに近いかなあって呟いてみたり。


深夜のラジオをやるんだよって、
私が放送中に何も喋らなくなったらどうする?って、
心配してくれる?って話したり。


みんなを振り向かせてみせるって胸をはってみせたり。


亜弥さんの話し方がいつもと違ってた。
用意された話題を朗読のように話すのではなく、ちゃんと自分たちと会話してくれた。
だから彼女と自分たちの距離がずっと近くなった気がした。


何かを決意して自分を奮い立たせようとしているような話し方だった。
そう思うと胸が苦しくなった、涙が出てきた。


澄んだ歌声は聴くものの瞳を無意識に閉じさせる。
背中がゾクゾクしてくる。
心が熱くなってくる。


ステージに桜の華が咲いていた。
舞台に映し出されていた桜の大樹、それに照らされた亜弥さん。
桜色、それは成長した彼女を表現する色なのだね、そう感じた。