虚像と実像


   ”わたしってモーニング娘。ではクールに見られていたみたいですけれど…”


近頃の後藤真希は少し印象が変わってきました。
自分を主張し始めたのです。


アイドルというのは、事務所からすれば商品です。
当たり前ですね。
新商品が開発された場合、会社が何に一番気をつかうかといえば、
その商品について顧客が受け取る第一印象なわけで。
だから、人材、時間、お金を使って商品のいいところを大勢の方に知って頂く努力をするわけです。


素のごっちんが、天真爛漫で、おしゃべりで、ハジケていたとしても、事務所側(つんく♂さんでもいいですが)
が素の彼女ではよろしくないと判断した場合、彼女に対して性格を装うように指示が下るわけで。
これから真希ヲタになっていただく方に少しでも好印象を抱いてもらうためには仕方ないのです。


ごっちんが、事務所側から、”きみはクールで売っていくからよろしくね。”
と、指示されたとします。


電化製品と違い、ごっちんには意思も感情もあります。
複雑な気持ちになるでしょう。
自分をしたってくれる方々に偽りの自分を見せなきゃならないし。
ずっと性格を装っていられるか不安が残るし。


ともかく、クールな後藤真希が世に広まるわけです。


   ”ごっちん!”
   ”ごっちん!”
   ”ごっちん!”
   ”ごっちん!”


ヲタさんが、ファンの方々が、自分をしたって声援を送ってくれます。
でも…
でも、それは本当の自分ではないのです。


   ”わたしは…本当のわたしは違うの!”
   ”こんな性格、本当は大嫌いなのに…”


仕事だから…
そう、割り切れればいいです。


   ”割り切らなきゃいけないんだ…”


自分を奮い立たせます。
でも、みんなを騙し続けているという良心の呵責が常に自分に問いかけてくるのです。
精神的な重圧が心労となってどんどん蓄積されていきます。


近頃の後藤真希を見ているとソロデビューしたハロプロのアイドルがアーティストに昇華していく過程が
見えるような気がします。


独り立ちして、歌手として、女優として経験を積み、つんく♂さんに頼っていた様々な段取りを
自分でやれるようになった時(自分で自分を輝かせる事が出来るようになった時)初めて本当の自分を
主張出来るようになるのではないのかなぁ。


なんて。


いつもの大妄想なので、今回のごっちんの主張も本当は事務所側のパフォーマンスかもしれませんが。


ならば、松浦亜弥の場合はどうだったでしょうか。


初舞台で彼女が披露した「100回のKISS」が、もし、大成功していたとしたなら、
デビュー前の松浦亜弥にあの名曲を歌いこなす実力があったとしたなら、
はたして、松浦亜弥は今のあややだったでしょうか。


あややごっちんのように自分を主張する日が来るのでしょうか。


その日が待ち遠しいような…
怖いような…
その日は来ないかもしれないし…


もし、今のあややが仮の姿だったとして、このままずっと騙し続けていてほしい気もしますものね。