勝々山(かちかち山)を思ふ

かちかち山。

みなさまご存知のメジャーな昔話です。


お爺さんが自分の捕らえたたぬきにお婆さんを殺され泣いているところに

うさぎが通りかかり、お爺さんのかわりに敵討ちをしてもらうあらすじですが。


幼い頃は、単純明快、勧善懲悪、明朗会計(?)な性格だったので当たり前の

ように思っていましたが、わたしも幼いままではいられず、知恵もついてきまして

余分な事を考えます。


「…。」

「う〜ん、さて。」


お婆さんを殺されて泣いているお爺さん。こりゃわかります。

わからないのは、その後登場するうさぎです。

はたして赤の他人のお爺さんのために殺しまで請け負うでしょうか。

たぬきを焼死させるのに失敗し、毒殺しようとし、最終的に水死させます。

執拗にねらうのです。

はたしてそこまでする理由があるのでしょうか。


理由を考えました。


 1.うさぎは、仕事人の中村主税だった。(お爺さんは殺し屋を雇った。)

      もらうものもらってるからやるっきゃないよねー。


 2.日本の昔話だから額面どおり受け取っちゃいけない。

      うさぎはお爺さんと以前から仲がよかったという設定ですが、

      あくまでもお爺さんが目上という書き方がされています。

      お爺さん(という国)に捕らえられた、たぬき(という国の間者)が

      お婆さんを殺して(国にとって大事なものを壊して)逃走した。

      うさぎ(家来)は敵討ちに向かい本懐をとげる。

      というのはどうでしょう。

      日本の昔話の比喩は、いいもんは朝廷(天皇)、わるもんは

      地方の豪族みたいな書き方をします。

      おいしいと立場が逆の(朝廷側が悪いことをして、地方豪族が

      戦い勝利する)話でも勝手に作り変えちゃったりします。

      「汚ねェ、汚ねえよォ。」


 3.うさぎは浪人の身だった。

      仕官の話です。

      近くの国に反乱が起こりその国のえらいさんが殺されたとして

      浪人の身に甘んじていたうさぎは家来に取り立ててもらう約束を

      受けてたぬきを殺すのです。

      物語のラストにたぬきを殺したうさぎはお爺さんにお宝をもらった

      という件もあります。



自分的には2番目か3番目だと思います。

(1番ならかっきー!)


3番なら納得できる気がします。


家来に取り立ててもらうために、一族の繁栄のためにうさぎは執拗にたぬきを

狙い思いを遂げるのです。

そして仕官される。

ハッピーエンドですね。


時代劇だと、「よくやった」とか言われながらバッサリ。


「だ、だましたなァー!」

「ふ、ふ、ふ、だまされるうぬが悪いのよゥ。」


とかゆうラストも有りなんですが。