スジナシ

福田麻由子ちゃんが出てた部分だけ観ました。
与えられた役に成り切る。
自分的にそれが出来ている役者さんは殆ど居ないと思っています。
役者に演技をしているという自覚があるうちは役に成り切ったと言えないからです。
今回、麻由子ちゃんは役に成り切った瞬間を魅せてくれました。
「スジナシ」は鶴瓶さんとゲストが即興でお芝居を作り上げていく番組です。
なので、自分の役は自分で決めなければなりません。
お芝居を続けるうちに「父親の過度の期待に応えられず堪りかねて家出をした少女と彼女の祖父」という設定が形成されました。
少女は父親の期待に応えられない自己嫌悪を泣きながら祖父にぶつけます。
祖父はたくさんの言葉で少女を励ましました。
自分も一緒に父親を説得してあげると持ち掛けていたその時です。
「…遊園地にいきたい。」
少女は不意に呟きます。
訊かれてもいないのに突然です。
それは心の奥に仕舞い込んでいた彼女のささやかな夢でした。
麻由子ちゃんはこの言葉を無意識で呟いたそうです。
何処か行きたい場所はあるかと訊かれた気がしたそうです。
その瞬間、そこに居たのは麻由子ちゃんではなく少女だったのですね。
祖父の愛が閉ざされていた少女の心を開かせたのです。

麻由子ちゃんの将来が楽しみになりました。
天才と呼ばれる所以を目の当たりに出来て感激でした。