懐かしい視線

「Thanks!」のPVを見返すにつれ感慨深くなりました。
ミキティがソロ時代の表情に戻っている気がしたからです。
微笑んでいても、可愛らしく魅せていても、視線は笑っていない。
ソロ時代の彼女にそんな雰囲気があるのは、誰にも頼れない、自分がやるしかないという頑張りがあった所為だと思います。
つまり自分に架した責任の重さのためです。
見るものにとって、それは彼女を語るうえで外せない魅力だったはずです。
娘。に入った後のミキティからその気負いはなくなりました。
独りで責任を背負い込む必要がなくなったからです。
センターに限りなく近いポジションに居ながら、寄りの映像が多いにも関わらず、当時の視線は感じられなくなりました。
視線の魅力について語られなくなり、気性の激しさだけが取り沙汰されるようになっていったのです。
懐かしくなり、ソロ時代のシングルクリップを引っ張り出しました。
亜弥さんにも感じられる事ですが、当時の映像は名作と言ってもいい出来です。
あの視線は、どの楽曲にも堪らない魅力となって息づいています。
面立ちは幼いままでも全く色褪せず存在し続けているのです。
歌を生業にするものにも遣り甲斐はあります。
デビュー前からレッスンを共にした親友との競演が彼女の遣り甲斐に変わったのだと思います。
前向きな気持ちは向上心となって他の仕事にも良い影響を与え始めます。
リボンの騎士」でヘケーテという大役を射止めるに至った実力、それを後押ししたのは彼女の向上心だったかもしれません。
亜弥さん、真希さんが印象を変えたように、ミキティにも転機が訪れている気がします。
今回の舞台がきっかけになって新しい才能が開花するかもです。