基本形

亜弥さんが今まで出した楽曲を全部音源にして通勤の行き帰りに聴いてます。
好きな曲は飽きるまで聴くのにその他は殆ど聴かない。
亜弥さんの楽曲について自分は好き嫌いが極端でした。
極端な表現をすれば、彼女の楽曲はつんく♂さんの玩具的な要素がありましたから。
その時々の発想(これやッ!)が具現したもの、それが彼女の楽曲だったと思っています。
だから新しい曲が出される度に好きか嫌いかそれだけの評価しか出来ませんでした。
多分、そこに亜弥さんの意志(心)が見えなかったからです。
そういった意味でも彼女はアイドル(人形)だったと言えるのでしょうね。
「砂NAMI」は亜弥さんの従来の楽曲と全く違っていました。
角(引っかかり)がないというか、滑らかに伝わって来るというか。
そこに素っぴんの松浦亜弥を見た気がしたのですね。
砕いた言い方にすれば「飾りっ気のない歌声」という表現でしょうか。
自分的に「砂NAMI」の歌声が亜弥さんの基本形(心)だと感じたわけです。
曲をイメージするというのは役者になって演じることと同じだと思います。
基本形をもとにどんな感じに雰囲気を変えていくか、亜弥さんは無意識にそれをしてきたのでしょう。
そうなると無性に今までの楽曲が聴きたくなってきました。
息を溜めたり、歌声に抑揚がついてたり。
亜弥さんの感じたものを想定して楽曲を聴くと印象が全く変ってきます。
お芝居を観ているようで楽しくなってくるのです。
自分が感じた基本形(心)は他人にとって正解ではないかもしれません。
感じ方は人それぞれだと思うのです。
他人の受け売りじゃなくって「ああ、そうなんだな。」って自然に気づく。
つまりは「悟る」ことなのでしょうから。