悩み
職場の同僚が何やら考え事をしている。
溜息をついている。
悩みがあるのだなと思う。
だけど、自分は声をかけない。
そういうのは柄じゃないと思っているから。
アイツなら声をかけるだろうな。と他の同僚の顔が浮かぶ。
だからアイツは人気があるのだ。
自分もそうなりたいと思わないでもないが、それは楽しくないことを知っている。
自分の事を鈍感だとは思っていない。
鈍感であったなら、彼の悩みには気づいていない。
ひとには聞いて欲しい悩みもあれば、そうでないものもある。
聞いて欲しい悩みならばよいが、そうでなかったなら迷惑をかけることになりかねない。
それが判断できないのだ。
つまり、お節介はよろしくない。
だから、今はただ観ている。
待っている。
彼が胸のうちを明かしてくれるまでは。