電灯

自分は電灯の光に惹き寄せられ踊っている羽虫のようにはなりたくないと思ふ。
いくら魅せられようとその輝きは本物ではないのだから。


それとも、他の仲間たちと一緒に舞ってみればいいのだろうか。
いや、それを思ふ事自体が違うのか。
だから、温度差を感じてしまうのか。


そのうち朝がやって来る。


まやかしの光が消えた時、仲間たちはどうなるだろう。
新しい輝きを求めて羽ばたくのだろうか。
未練を残してそこに留まり続けるのだろうか。


彼女の本当の輝きを知ればいい。
内面から染み出してくる陽光に晒されたい。


それなら、ずっと彼女を見ていてあげられるから。
いつも、彼女の傍にいてあげられるから。