黎明


「大乱舞」は何度観てもいい、一体感が感じられるから。


それぞれの歌手が自分の持ち歌を披露するライブなら、出番の歌手が歌っている時間はその歌手のライブになってしまう。
観客もそのつもりで聴くから自分の興味のない歌手が出番の時は身勝手な行動をする。
たくさんの歌手を一度に観られる、今まではこれを豪華と呼んでいたし誰もがそういうものだ思っていた。


集められた歌手から持ち歌という縛りを取り除いてしまったならどうなるか。
お気に入りの歌手の持ち歌で盛り上がる事を目的に参加したものは焦点が定まらなくなる、戸惑うし不満に思う。
観客は無理やり焦点を定めようとする、そうしないと何のためにライブに来ているのかわからなくなるからだ。
そうなると、焦点をお気に入りの歌手に持っていかざるを得なくなるため、その歌手が参加している楽曲全てを追うことになる。
お気に入りの歌手を楽しむという視点がライブ全体を楽しむという方向にすり替わることになる。
カラオケ大会とは言い得て妙だと思う、カラオケはみんなで盛り上がるのが目的なのだから。


なっちさんの不運は新しい流れを生んだ。


真希さんと、亜弥さんの間にあった距離を限りなく近づけることとなった。
馴れ合いではない、真希さんには娘。という括りがあるが亜弥さんにはないからだ。
本当の意味で好敵手という関係が出来上がった。


娘。にもそれは言えると思う。
キャメイさんが、なっちさんのオーラを醸し出すようになっている。
顔つきまでがなっちさんを思わせるように変わり始めている。
一番目立たない存在だった女の子の途轍もない潜在的魅力を表面化させることとなった。


と、マジ考察はこれぐらいにする。


この「大乱舞」、私を和ませてくれた部分が本編とは別にあった。
特典映像に、愛理ちゃんと、雅ちゃんがじゃれ合っている姿が映っている。
雅ちゃんベリ工に参入してしまったので、あぁ!の活動が停止してしまったのが残念でならなかったのだが、彼女たちの絆(って言ったら大袈裟かな)は全然途切れていないと感じられた。


なお、「大乱舞」の主役である圭織さんについては今更書かない。
このライブで彼女が一番輝いていた事は言うまでもない。
されど、それを言葉にしようとしてもヲタ丸出しの陳腐な表現しか出てこない気がするから。