元禄繚乱


徳川綱吉 イヌと呼ばれた男」を観ました。
草磲剛さんの時代劇も正月恒例になってきましたね、昨年に続き今年も感想を書かせて頂きます。


徳川綱吉はやさしいひとだったと思います。
他人の話をよく聞き、願いを叶えてあげたいと思う、そんな性格のひとだったのではないのでしょうか。
いつも受身にまわり権力をひけらかすことを嫌ったのだと思います。


彼に国を治める能力がなかったとは思いません、逆に責任感の強いひとだったという気がしています。
自分が決定することは、その内容について全部理解していないと気がすまない性格だったのではないのでしょうか。
だからこそ、何も決められず影の実力者たちの言いなりだったという気がします。


綱吉は貨幣経済を発達させることにより、町人の暮らしを豊かにした将軍です。
建築が盛んとなり、たとえ大火が起きてもすぐ復興させてしまうほどの世の中にしたのです。
「生類憐れみの令」で彼が望んだのは生命の大切さを理解して欲しいということでした。
それが思惑に外れ極端に世にひろまってしまったのです。


今回の物語でうれしかったのは、徳川綱吉が侮れない人物として描かれていたことです。
あだ討ちの意志などないように振舞う大石内蔵助のもとに出向き、綱吉が問うたのは生命の尊さでした。
堤真一さん演じる内蔵助に最初からあだ討ちの意志ありきで率直に問うのです。
内蔵助も誤魔化そうとしませんでした。
自分にとって大切なものを壊されたことがあるかと問い返します。
観ていて涙が出てきました。
生命にかえても曲げられないという信念ってカッコいいじゃないですか。(言葉が陳腐ですが)
男って元来そういう生き物だったハズです。


そして、討ち入りは決行されました。
切腹の沙汰が下るまで彼らは逗留先の屋敷で客人の扱いを受けたと聞きます。
想いを遂げた浪士たちの心はおだやかだったそうです。
その屋敷の子供たちの遊び相手になっていたとか。
悪を大義という名目でうやむやにせず、あだ討ちを繰り返させないために切腹を言い渡す、わたしは素晴らしい采配だと思います。
「泣いて馬食を切る」の諺通りですね。


自分的に内蔵助が綱吉の家臣であったならよかった。
柳沢吉保とともに彼を支えてもらえたなら世の中はまた少し変わっていたかもしれません。


草磲さんの侍姿も板についてきましたね、来年もこうやって感想を書きたいです。
サル、イヌときたので来年は、「キジと呼ばれた男」かな。(わけねーだろ、ってか誰だよそれ!)


あ、余談ですが、綱吉が将軍になる前に治めていた館林には渡良瀬川があります。(物語にも出てきましたね)
渡良瀬は、瀬(流れ)があるにもかかわらず渡り易いという意味だとか。
渡良瀬川といえば、渡良瀬橋です。
この橋って渡良瀬川にかかった初めての鉄橋なんだそうです。
で、渡良瀬橋といえば、松浦亜弥かなっと。
結局そこへ落とすんかいっ!(爆)