リアルオーディション

CS局で放送された亜弥さんのミュージカルを観る。
当たり前の事かもしれないが感じたままを書く。


この舞台の完成度は自分的にかなり高いと思う。
前回作の「草原の人」と比べてそう思う。


松浦亜弥主演ではある。
だが、松浦亜弥の舞台であってはいけないのだ。
それだったら、ライブで十分である。


主役が褪せてしまうほどの演技をする脇役陣が投入されている。


男優の演技がいい。
オトコはカッコよくなければいけない。


女優の演技がいい。
自分が主役をやっている気持ちで演じないとああはできない。


当たり前の事が忠実に出来ている舞台はやはり映えるのだと思う。


主役は熱くていい。
主役を惹き立てる役のライバル達も当然熱くなければならない。


だが、常にクールを演じる役どころがいる。
どんなアプローチをされても確固たる意思を持ち顔色ひとつ変えない。


物語は、明と暗、動と静が相舞って初めて成立するのだと思う。


観始めは松浦亜弥のミュージカルだった。
そのつもりで観ていた。


観ているうちにどんどん惹き込まれて行った。
ラストは誰が主役だろうがどうでもいい気持ちになっていた。
芝居というものはそうであるべきだと感じた。


主役が引っ張っていく芝居は観るに値しない。
脇を固める名優達が主役を持ち上げる芝居こそ名作なのだ。