秘密

後藤真希さんの「②ペイント イット ゴールド」について書いてみたいと
思います。


前回、この話題をしたのはアルバムの発売前でした。
わたしは、真希さん初のバラード「涙の星」にかなり期待していました。


実際耳にしてみると確かに真希さんの歌声はバラード向きではないのかも
しれないって気がします。
声が澄んだ感じに聞こえるので切なさというよりも美しい楽曲になってし
まうのです。


つんく♂さんが彼女にバラードを書かなかった理由が理解できた気がしま
した。


それで、少し落胆してしまったのですが、このアルバムって実は隠し玉を
潜ませてあると思うのですよ。


「秘密」
この楽曲に描かれている女の子って真希さんそのものって気がしませんか。
(わたしが彼女に抱いている印象ですが)


   鏡にだけは
   素直になれる
   本当の話をする


   あなたの方が
   スキでいてほしい
   絶対に 負けちゃいけない


”絶対に 負けちゃいけない”って表現がいかにも彼女らしく思えて何か
悔しくなってきます。


   久しぶりに会えても 当たり前の顔
   心じゃもう何回も
   抱きついている


ここの表現もそうです。


自分の心をそのまま彼にぶつけたいのに、いつもクールを装ってしまう。
そのくせ、自分の想いはぜんぶ彼にバレているようで、それを悟られまいと
精一杯意地を張っている。


真希さんのイメージ。
女性の可愛さ、けなげさが綺麗に表現されていると思いました。


   なぜいつでも ばれちゃうのだろう
   なぜいつでも ばれちゃうのだろう


さりげなく普通を装っていても、彼のちょっとした気配り、
何気ないやさしさに彼女は反応してしまっているのでしょうね。
だから、彼も彼女の演技に気がつかないフリをしてくれている。


男の子でも、女の子でも、
意気がってみせたい時期というのがあって、
それが精神的に未成熟だった場合、ツッパって見えるわけです。


性格が変わるわけもないので、ツッパって生きてきたひとは、
ツッパったまま成長するわけですが、精神的に成熟してくると、
”ツッパリ”がそう見えなくなってきます。


男の子の場合は包容力に、女の子の場合は可愛らしさに
転化されるようになる。
若い頃バカをやっていたひとがオトナになった時、頼られる存在になって
いくのはそれが所以です。


真希さんにもそれがいえると思います。


”ツッパリ”だったものが、女性らしさに変わっていく。
真希さんの過渡期を表現した素晴らしい楽曲だと思いました。