神卸し

時が来た。
神官(DJ)に導かれて神卸しが始まる。
スピーカーから、モニターから発せられる、突風の如き言霊の圧力が神殿全体を震撼させ始める。
音?
そんなものではない。
眼に見えるもの、見えないもののすべてが娘。を訴えかけてくる。
投げかけてくる!
ぶっつけてくる!
張り倒されたような衝撃を真っ向に受け止め、巫女(おどりスト)たちが踊る!
凄い!
一糸乱れぬ完璧な舞である。
綺麗か。
綺麗だろう。
しかし、鬼気迫っている。
まるで、磐戸隠れした天照大神を引き出すために磐戸の前で舞った天宇受女命(あめのうずめのみこと)
のようである。
来るべき時を共有しようと集まってきた信者(モーヲタ)たちも巫女(おどりスト)たちの叫びに
共鳴するかのように踊り狂う。
女神たちを呼ぶための力の密度が凝縮され始める。
降臨の時間が刻一刻と近づいていた。