あやや、熱唱。
あやや新曲「THE LAST NIGHT」のPVを観させて頂いた。
わたしが以前、「新曲PVを考える」や、「新曲PVを考える(続)」で
大妄想したようなPVには当然仕上がっていない。
今までのPVの技法が踏襲されている。
あやや領域を構築し最高の魅力をぶっつけてくるやり方だ。
今回のPVは全体的にふたつの絵に分かれる。
オトナを醸し出す松浦亜弥の映像と娘あややの映像だ。
紅葉のなかに、ふぅわり舞うように微笑みながら弧を描く娘あやや。
それと対照的に、アンサンブル(というのだろうか)の生演奏の前で
切なげに、悲しげに歌い上げるオトナ松浦亜弥。
どう解説したらいいのか。
このふたりの接点が見つからない。
詞から想定すると、当然、オトナ松浦亜弥の絵で統一したほうがいい気がする。
伏し目がちに微笑む娘あややにどういう意味が隠されているのか。
指輪初めてだった、嬉しかったな
すこし期待のバースディ
おや。不思議な事に気づいた。
今まで微笑んでいた娘あややの表情が曲が進行するにつれどんどん曇っていく気がする。
春はちょっと逢えなくて
夏ははしゃいだ…
気の迷いではない。
何故、そんなに切ない悲しい表情をしているのだ。
どうして心境が変わってしまったのか。
…
何故だ、どうして春は逢えなかったのだ。
そういえば、彼女は誕生日に初めて指輪を贈られたらしい。
聞き流してしまいそうなフレーズだが、この辺り答えがあるらしい。
わかってる、全部解ってる
だからいいよ、ゆくわ
これだ!
ここが、ふたりの別れの理由を指すフレーズだと思った。
今までの流れをまとめてみる。
ふたりがつき合い始めたのはおそらく学生の時、彼は先輩だったのだろう。
そして彼は卒業し社会へ旅立っていく。だから、春は逢えなかったのだ。
就職した彼は、自分が稼いだお金で彼女のために指輪を買うのだ。
彼女の誕生日を祝うために計画したのだろう。
彼女には秘密だったから、彼女の指のサイズなんかわかろう筈もない。
彼女に指輪がプレゼントされる。
そして当然予想されたハプニング。サイズが合わなかったのである。
ふたりの愛は永遠に続くと思われた。しかし…
社会に出て新しい刺激にふれどんどん自分の幅を拡げていく彼の変化に
まだ学生である彼女はいつしか気づいてしまう。
彼女にとって、彼=愛だった。
だが、彼にとって、彼女=愛と言い切れなくなっていたのだ。
そして、別離。
明確な意思表示をしないのにお互いの気持ちがわかるのは、今までふたりが
積み上げてきたものが本物だった証。
だから、何も聞かず、何も告げず、彼女は闇に消えていくのである。
”さよなら”と心の中でつぶやきながら。
以前、「楽曲「100回のKISS」を思ふ。」で今回の新曲と
「100回のKISS」との繋がりを大妄想したのだが、今までの経緯を考えると
当然、流れが変わってくる。
おそらく、今回の新曲「THE LAST NIGHT」はファーストアルバムに入っている
「初めて唇を重ねた夜」の続きなのではないだろうか。
初めて唇を重ねた夜
わたしの何か壊れました
こんなに誰かを愛することが出来るなんて…
ふたりの純粋で一途な愛の結末がこの曲となったのだ。