希少種、人面犬。
実にしょうもない事を思いついた。
ネタは、人面犬である。
ひとの顔を持ち身体は犬、人語を話すという化け物の事だ。
全国でいろいろなウワサが流れて怖がられたものだが。
化け物。
人面犬の場合、妖怪といって良いと思う。
これがもし、妖怪なんて大層なものでなかったらどうだろう。
珍獣なのだ。
ただ無性に確認された数が少ないだけ。
都会の真ん中にいのししや鹿が迷い出たのと同じと仮定するのである。
反応がだいぶ変わる筈である。
警察やら役場の職員が網を持って追っかけまわすだろう。
麻酔銃で眠らせようとするかもしれない。
( ̄▽ ̄)。o0○ タマちゃんみたく住民票ができたりして…。
田舎で別段その辺りを人面犬がうろついていてもどうって事ない環境だったとする。
子供が学校帰りに道端で人面犬に声をかけられる。
「お〜い、今日は学校楽しかったかぇ。」
子供も普通に返す。
「うん。ぼちぼちだったね。」
人面犬の頭なでながら話しているかもしれない。
年端もいかないような娘っ子が、おっさん顔の犬の頭をなでているのである。
(ちょっと想像できる絵じゃないな)
幽霊、お化け、妖怪。
得体が知れないから恐ろしいのだ。
相手が何者かわかっていたら無闇やたらに怖がることはなくなると思う。
ただ、そいつとお友達になれるかどうかは別だ。
町の真ん中に熊が迷い出たとして頭をなでにいけるかという話である。
そんな事でこの話にオチはない。
だだ、そんな事を思いついただけの事なのだから。