再びスケバン刑事

二度目を観てきました。
今度は家族と一緒です。
自分はつくづく悪役が好きなのだなと思います。
騎村時朗の散り際がすごく印象的でした。
「ゲームなんだから楽しみなよ。」
彼のこの言葉は比喩ではありません。
誰かの後押しをして何かをさせる。
操られる誰かはゲームの世界でいえばキャラクターです。
自分はそれを眺めて楽しむ。
示唆する彼はゲームの世界でいえばプレイヤーだからです。
ただ、このゲームには終焉がありませんでした。
感覚が麻痺して感動出来なくなっていたのですね。
彼は自分の衝動を止めてくれるラスボスを欲してました。
そんな時、その資質を具えた少女が学園に転入して来ます。
彼はその少女にラスボスの資質を感じ参戦を決意するのです。
彼にとって勝敗はどうでもよかったと思います。
少女との闘いを心ゆくまで堪能して終わらせたかった。
だから自分だけタイマーが解除出来ない爆弾を装着したのです。
起爆の後光をまとって微笑みながら消滅してくこと。
そこに彼なりの美学が感じられました。
彼の行動は一般的にみれば異常です。
でも、生き方についてはそう思えない。
信念に基づいて行動する。
その気持ちに正義や悪という客観的な倫理はないはずです。
集団からすれば勝手な独り善がりで迷惑なだけなんですけれどね。
なので、そういった目論見は滅多に成功しないです。
その辺り深作監督は粋ですね。
彼に自分の生き方(逝き方)をまっとうさせたのです。
優しく微笑みながら輝きの中に消えていく悪とそれを悲壮な表情で見つめる正義、この対比が無性に切なく感じられました。
話は変わって。
イカの最期のセリフが「マジ…。」でした。
前回観た時は聞き逃してました。
鉄柱の下敷きになる寸前のセリフにしては場違いで滑稽です。
でも、その滑稽さが今時の女子高生を象徴している気もします。
意図して入れられたセリフなのだろうと納得しました。
最後に一つだけ。
サキの手の中で赤く輝き始めるヨーヨー。
あの輝きはどういう作用で起こるのか、どのような効果があるのか。
それが謎として残りました。