日本沈没

リメイクだと思っていました。
過去に製作された時も、ドラマ化されたものも観ました。
日本が大海原に消えていく結末が切ないので観るのを止そうと思ってました。
タコ船長(デットマンズ・チェスト)を観るつもりだったのですが、縁があるんでしょうかねえ、行き掛かり上こちらを観る事に…。

逃げ惑う人間たちを救うために災害に立ち向かう姿が素敵でした。
最初の登場シーンはまるで「海猿」のようでした。
彼女ってバイクに乗れるんですね、印象が全然違っちゃいました。

自分が見知った浜辺を息子に残したいという想いのため脱出出来たのにあえて日本に残り潜水艇で深海に潜る姿に胸をうたれました。
ベテランの潜水艇乗り、華やかさとは無縁のどっしりとした面持ちは彼がいつも魅せている印象と正反対です。
そのため、結城慎司の実直さが強調されていました。

避難する人々を誘導する逞しい体躯が本物の自衛隊員のようでした。
生命の儚さ、運命の存在を感じさせる哀しい役回りに胸が一杯になりました。

深海が好き。それが理由で潜水艇乗りを職業にしていた彼が日本が沈みゆく状況の中で様々な人の想いを知り自分の使命に気づいていきます。
神が存在するならば、彼は小野寺が自分の役割に気づくかどうかを試していた。そんな印象を受けました。

  • 総括

大自然の猛威に為す術もなく破壊されていく馴染み深い建物を目にするだけで哀しくて涙がこぼれました。
もっと早くこの事態に対応する事は出来なかったのかと思いもしたのですが、恐らくこの事態にならなければ対策は機能しなかったのだろうなって思い直しました。
データを提示して日本の危機を訴えたとしてもそれを目の当たりにしなければ誰も行動しようとはしませんものね。
日本を救うために、愛する人を救うために、自分が出来る事をする。
人間のカッコ良さが随所に散りばめられた素晴らしい映画だったと思います。