空色のドレス
僕らの音楽の総集編を観る。
亜弥さんの姿がなつかしくなって、
さっそく、件のDVDを引っ張り出してみる。
LOVE… 涙色
亜弥さんの歌声が微妙に揺れながら耳に届く。
空色のドレスを着て、ピアノアレンジの生演奏でしっとり歌う姿は、
当時17歳の実力とは思えない。
ピアノの旋律に身をまかせ、彼女は軽くスイングする。
瞳を閉じ、鼻梁に皺をよせて切なげな表情で気持ちを込める。
別れた…ってことを
聞きたくなかった…ナ
少女の淡い恋の物語、原曲はそうだったハズ。
亜弥さんの発する声のトーンは、
それをあっという間にオトナの失恋にまで持ち上げてしまった。
飽きない。
観るたびに何か新鮮なものを感じる。
それは、ここまでやってのけているにもかかわらず、
彼女の底がまだ見えていないからに違いない。
まさに、感無量。