君が想い出になる前に - 焦燥 -
やっぱり今週もこのドラマを観ちゃいました。
家族で写った思い出のスナップ写真には知らない遊園地が写っていました。
彼は偶然その風景をテレビの中に見つけます。
居ても立ってもいられませんでした。
彼は記憶を取り戻したい一心で息子と共にそこを訪れました。
ところが、彼が目を離した僅かの間に息子はいなくなってしまいます。
やがて雨が降り始めました、突然の夕立です。
やっと見つけた時、息子はびしょぬれになりながら立ち竦んでいました。
”お母さんに似たひとがいたんだ。”
”追いかけたんだけど、お母さんはどこにもいなかった…。”
記憶をなくした彼にとって、そこは懐かしいはずの風景でした。
でも、息子にとってそこは忘れる事の出来ない思い出の場所だったのです。
寂しげな、泣きそうな息子の表情をみて彼は言います。
”お父さんがいます。”
”ずっと、あなたのそばにいます。”
実感のこもらない抑揚のない口調でしたが、彼の言葉には息子に対する愛情が溢れていました。
…・…・…・…・…・…・…・…・…・…・…・…・
記憶喪失の役をやってくれって言われた時、役者さんは何を思い浮かべて演技するのでしょうか。
椎名さんの演技は、何かが抜け落ちたような頼りなさという感じにこちらに伝わってきます。
普段の何も思い出せない混沌とした状態と、何かが閃いた時の瞬発的な行動、それが記憶喪失を演じる場合のセオリーなのでしょうか。
経験したくても出来ない役柄をよくこなせるなあと感心です。