最上階から亜弥を望む

亜弥紺会場のわたしの席は最上階で、しかもど真ん中でした。
係員さんにその席の方は決して立ったりしないようにと言われました。
自分の頭上に照明さんが頑張っているんで立ち上がると亜弥姫を照ら
すライトが遮られてしまうからです。
まあ、おかげでじっくり彼女の歌を聴くことになりました。


全体的にまとまったステージだったと思います。
彼女についての美辞麗句を書き綴っても仕方がないので気づいた点の
み書きます。


彼女が「THE LAST NIGHT」を朗読する映像が流れる場面がありました。
朗読というアイディアは素晴らしいと思います。
ただ、歌詞を朗読するのは辛いんじゃないのかなって感じました。
背景に流れるラスナイのオルゴールはそのままに、ラスナイをモチー
フにした物語を創作し朗読すればもっと効果的だった気がしました。


歌についてですが、わたしは以前、彼女には独特の歌い方、闘い方が
あると書いた事があります。それを体感出来た気がしました。


①自分の周囲に彼女の特有の領域を構築する。
②その領域に自分の魅力をどんどん凝縮していく。
③溜め込んだ魅力が臨界に達した時点で一気に放出する。


亜弥さんは視線の向け方が上手いと思います。
会場全体につねに見渡し自分の存在を印象付けていきます。
彼女の後ろに設置されたモニターがそれを助けます。
彼女のそのしぐさが観客を惹きつけていくのです。


客席の意識がどんどんステージ上の彼女に集中していきます。
臨界点は絶対解ける問題X=…が始まった時だと思っています。
楽曲が夏男に移行した時、そこにアイドルあややはもう存在しません
でした。
バックダンサーと一体となった松浦亜弥はアーティストに変貌し凄ま
じい迫力で会場を包み込んでいたのです。


彼女は最後の最後で思いっきりトチりました。
歌詞が途中から”にゃにゃにゃにゃにゃ…”になってしまいました。
でも、わたしは不快じゃなかった。
客席に詫びながら、頭をかきながらステージを後にする亜弥さんを、
むしろ可愛いと感じました。


あ、それから、わたしの前の席にお母さんと一緒に参戦した男の子と
女の子が座っていました。
小学校の3、4年生ぐらいでしょうか。


最上階でも、照明さんに迷惑のかからない席のひとは立って応援して
いました。
必死に応援するお兄さんを不思議そうに、眩しそうに見つめる子供た
ちの瞳がキラキラ輝いていたのがとても印象的でした。