タンポポ

タンポポのシングルクリップ集を観る。
別段、何も考えず映像を観始めたのだが意外な事に気づいた。
タンポポは自分がモーニング娘。に傾倒していくうえで重要な役割をして
いたのだ。


1998年10月にタンポポは結成された。
その頃のわたしはモーニング娘。について一般常識程度の知識しか持って
いなかった。(一般常識ってどの程度かって聞かれると困るが)


通勤帰りに自動車のラジオから流れる彼女たちのおしゃべりを堪能してい
た。
彼女たちについての情報は、もっぱらその放送からだった。
タンポポというユニット名がメンバー達に不評だったというのをその放送で
聴いて、”まぁ、そうだろな。”と思ったのを覚えている。
つんく♂という人間の懐の深さをまだ何もわかっていない頃だった。


自分にタンポポを印象付けたのは「魔術師オーフェン」というアニメだ。
タンポポが主題歌を歌っていた。
エンディングで流れる彼女たちの映像を観て初めて名前と顔が一致できた。
もしかしたら、他の娘。のメンバーの名前と顔を一致させるよりこちらの方が
早かったかもしれない。


ラストキッス」を歌う彼女たちはとてもオトナだった。
真里さんの年齢を感じさせない色気に驚いた。
初代メンバーは綺麗さをウリにしていたのだろうと思う。


わたしがさらにタンポポに惹かれ始めるのは第二期の頃だ。
松浦亜弥がデビューし、モーニング娘。が自分にぐっと近づいた頃だ。


恋をしちゃいました!」の映像がとても可愛かった。
矢口真里という女性の凄さを知ったのはこの時だ。
第一期の頃の圧倒されるほどの色気が第二期に入った途端に年相応の
可愛さに切り替わっていた。
石川梨華さんの顔がクローズアップされた時の瞳のキラキラも印象的だっ
た。


王子様と雪の夜」を観ていた時、あることに気づいて愕然とした。
ダブルユーの面々が娘。を卒業する事を知った時、自分でも驚くぐらい取
り乱した理由だ。


雪だるまにバケツの帽子をかぶせようとパジャマ姿に長靴を履いてやって
くる女の子。
少し背が届かないから背伸びして帽子をかぶせ、満足そうに微笑んで
来た道を帰って行く。


加護亜依さんのその姿が自分にとってモーニング娘。の原点だったのだ。


今にしてみれば、自分が気づいていなかっただけで、ずっと彼女を観てい
た気がする。
夏季限定シャッフルユニットの時も彼女がメンバーに入っているグループ
を追っていた。


推すという感覚ではない。
応援するという感覚でもない。
亜依さんは、そこにいるだけで安心させてくれるひとだったのだと思う。


だから、亜依さんが去ったタンポポが寂しかったのだ。
何か大切なものを失ってしまった気がしてならなかったのだった。


唐突に話を変えるが、プッチモニ。とタンポポのスタンスは、おとめ組
さくら組に引き継がれているのではないのだろうか。
プッチモニ。とタンポポは、おとめ、さくらの基盤を作ったのだ。