味付け

今更の話でお恥ずかしいが、亜弥さんが歌う「宇宙でLa Ta Ta」を
初めて聴いた。
シングル「奇跡の香りダンス。」に一緒に入っている。


この楽曲は、太陽とシスコムーンの持ち歌だったので、発売当時、
あえて聴こうとしなかった。


聴いてみると、楽曲というものは歌い手によってこうも違うものなのか
と思い知らされる。
太陽とシスコムーンがうまくないと言っているのではない。
印象的には全く別物に感じるということ。


この楽曲はダンスナブルなため大切なのはノリだと思っていた。
彼女はこの曲に迫力を持たせた。


迫力の表現方法はひとそれぞれで、
真希さんの場合は声をフトくすることでドンという重みを創り出す。


亜弥さんは声質の違いから真希さんのような表現はうまくいかない。
彼女の場合は、声の甘さに張りをもたせる。
一本の弦を指で弾いた音の余韻のような、雫が水面に滴った時に起こる
波紋の拡がりのような凛とした響きを創り出す。


曲の性質上、この楽曲はソニンさんが歌ってもうまくいく気がするが、
とても亜弥さんの域には到達出来そうにない。
彼女が歌うのであれば、正攻法つまり、思いっきりダンスナブルにやった
ほうが映えると思える。


楽曲は食材であり、歌い手は料理人だと思う。
料理人の味付けで食材はどんなふうにも変われるのだ。