本当に異常なのは…

”をかし”ネタです。
興味のない方はスルーお願いします。


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ひとを殺すという事について考えてみる。
殺したいという衝動にかられた時、それを実行するか思い留まるかは
ひとそれぞれが持っている殺人についての意識が関わってくると思う。
殺人についての興味の有るなし、罪悪感の有るなしに着目して考える。


①興味:ない、罪悪感:ある
   ひとを殺そうなどど発想しない。
   もし、衝動にかられても周囲への影響を考えて実行できない。
   世の中の大多数のひとのタイプ。


②興味:ない、罪悪感:ない
   ひとを殺そうと思わないから実行しないだけで、相手を気遣う心が
   なくなった時は容赦しない。
   俗にいうキレたらあぶないタイプ。


③興味:ある、罪悪感:ない
   ひとが殺されるところを観てみたいとか、殺してみたいと思う。
   実行することについて何の感慨もない。
   周囲への影響も思い浮かばない。
   一番あぶないタイプ。


④興味:ある、罪悪感:ある
   ひとが殺されるところを観てみたいとか、殺してみたいと思う。
   されど、実行することについての感慨は持ち合わせている。
   周囲への影響も理解している。
   探究心が理性を超えた時にあぶなくなるタイプ。


佐世保の事件について、個人的に(あくまで個人的に)見解してみる。
彼女の心理状態は③のパターンに属すると思っている。


ひとを殺してしまった彼女はよくない。
されど本当によくなかったのは周囲の環境だと思っている。


状況から判断するに彼女は罪の意識が希薄なようだ。
ひとを殺す事が何を意味するのか理解していないようだ。
それは生命の大切さを彼女に教えてやらなかった大人の責任だと思う。
彼女の両親を責めているのではない。
世の中の流れが変わってしまったのが原因だと思う。


わたしの幼い頃は、先生に学校で殴られて問題になった事などなかった。
殴られた生徒の親は、殴られた理由を子供に聞き中立な立場で判断して
くれていた。
学校の先生も金八先生とまでいかなくても教師としての役目をまっとう
していた。
悪戯が過ぎれば見知らぬ大人にさえ怒られた。
周囲の全ての大人が先達だった。


今の世の中にその環境は存在しなくなってしまった。
大切な事を教えてくれる先達はいなくなってしまった。


彼女はバトルロワイヤルの大ファンだったそうだ。
その事に関しては大人顔負けの知識を持っていたらしい。
いつしか自分もそれに参加している錯覚に陥ってしまったのだろう。


ただ、彼女はバトルロワイヤルについて肝心な部分を失念していた。
あれは上からの圧力により自分の意志に関係なく闘わされる物語なのだ。
自分の生命を守るため殺し合いを余儀なくされる若者たちの葛藤の話だ。


だから、どうしてもそれを実践するのであれば寝首を欠くような真似は
せず、逝ってしまったあの子にも武器を持たせなければならなかった。
人間の脳というものは都合よく出来ていて興味のない事は意識しなくて
よいと判断する。
だから、彼女は自分の卑劣さに気づかず友達を手にかけてしまった。


ちなみに、④のパターンの事件も以前あった。
ひとを殺してみたいという探究心の誘惑に勝てず見ず知らずの老夫婦を
手にかけた大学生がいた。
彼は自分の探究心が満たされたため素直に捕まっている。


世の中の流れは変わってしまったにも関わらず、昔の意識の枠に当てはめ
ようとするからうまくいかない。
過ちを犯してしまったものだけを異常と考えてはいけないと思う。