光と影


   ”ほら、子供たちばかりで新しくできたじゃない?”


嫁さんが唐突に話し始めました。


   ”「Berryz工房」の事かい?”
   ”そうそう。”


それで通じるのは、やはり夫婦だからでしょうか。


   ”あのグループは異色でね、
    状況によってメンバー入れ替えていくそうだよ。
    彼女たちはスタートメンバーって事だよね。”


わたしは、「ベリ工」について説明しました。


   ”ふうん…
    でも、それってマズくない?”


わたしは、「ベリ工」の楽曲や状況によってメンバー構成を変えるという
試みを面白いと思っています。


   ”だって、
    みんな、頑張っちゃうじゃない。
    ずっと、歌っていたいと思うじゃない。


    歌うためには、グループに残っていなきゃいけないわけでしょ。
    彼女たち、交代させられるなんて考えられないと思うの。


    いくら小さくても、女の子なんだから妬みとかあるし、
    自分が生き残らなきゃって思いから、派閥なんかも出来ると思うし。


    モーニング娘。のいいところは、みんな仲良しってところだと思う
    のよね。
    みんなが心をあわせられるから、あれだけの事がやれると思う。


    「Berryz工房」って、このままだと、
    「おニャン子クラブ」と一緒になっちゃう気がするわ。”


このひとは、本当はヲタなのではないのかと思う時があります。
たまに、ボソッと言う言葉に納得させられます。


事務所の方針が違うでしょうから、「ベリ工」が「おニャン子クラブ」のよ
うになっていくとは思いません。
ただ、彼女の言っている事に間違いはないと思うのです。


ベリ工」のメンバーよりも親のほうが必死になるのではないのだろうか。
わたしは、それを危惧します。


親が必死になるってよくないですよね。
子供は親に誉められたい、親の喜ぶ顔が見たいって無意識に思います。


子供は、自分のために頑張っているつもりでいつの間にか親のために
頑張っていたりします。
親は、子供のためと言いながら自己満足のために子供を動かしている
事に気づかずにいます。


親の言及って、子供に大きく影響します。
まとまっていたメンバーの心が、親の思惑で壊される事はあり得るのです。


彼女たちは幼い。
”自分の勝手でしょ。”とか、”わたしの人生だから”って言えない。
親の庇護が必要なのです。


事務所には、
彼女たちは子供だという意識を常にもって慎重に対応してもらいたい。


彼女たちの両親には、
子供の将来を自分たちのエゴで歪めないようしっかり見守ってほしい。


そして彼女たちには、
”自分を忘れないで。他人に惑わされないで。”って言いたいです。


だって、彼女たちの元気な笑顔をずっと見ていたいじゃないですか。