ソロになるということ

「亜弥とあやや」を読み始めました。
この本は松浦亜弥さんと著者との対話形式で書かれていますが、
ふたりのやりとりのなかに考えさせられる部分がかなりあります。


わたしは、モーニング娘。を卒業してソロで活動していくという事につ
いて、経験を重ねることによってソロでやっていける実力がついたため
だと思っていました。
ソロでやっていける実力とはどの程度のレベルなのかを考えた事はあり
ませんでした。


亜弥さんと著者の会話のなかにその辺りを気づかせてくれる部分があり
ました。


つんく♂プロデュースでソロでやっていけるか否かの基準って、
彼の楽曲のイメージを表現できる能力が備わったかどうかなのですね。


だって、
歌い手の得意なジャンルの楽曲ばかり作っていたのでは、プロデュース
になりませんから。


従来のアイドルだったら、
その歌手の基本的な持ち味はそのままで、発声の強弱で曲風を調整した
りしていたと思います。


つんく♂プロデュースでは、曲風、ジャンルによって様々な持ち味を出
せる能力が要求されるわけです。


アップテンポな曲調でも、
バラードでも、
ジャンルがロックでも、
ラップでも、
ジャズでも、


歌い手につんく♂さんのイメージを具現させる能力が出来ていなければ、
ソロとして世に出せないわけです。


亜弥さんの場合、つんく♂さんが期待した能力を初めから内在させてい
たのでしょう。


真希さんや、なっちさんの場合は、集団で活動するなかでその能力が培
われていったのだと思います。


そう考えると、ソニンさんは異色ですね。
本来であれば、彼女はずっとEEJUMPだったハズなのです。
それが不測の事態によって是が非でもソロを実現しなければならなくな
ってしまった。


彼女はQJ(QuickJapan)の特集記事でユウキくんなしで歌わなければな
らなくなった時の悲惨さを語っています。


うまく歌えなかった。
声が出なかった。


当時のソニンさんにソロの能力が備わっていなかったためです。


ソニンさんは日常のレッスンの事を”特訓”と呼ぶそうです。
ソロになるため彼女が受けたレッスンはまさに特訓と呼べるものだった。
彼女がレッスンの事を”特訓”と呼ぶのはその時の名残りなのだろうと
思われます。


今までの内容から、つんく♂プロデュースのもとにソロ活動をしている
面々はアイドルと呼ばれてはいるものの、実力的にはそれ以上という事
になります。


それは、歌い手が自分の思った歌を歌えるという事につながります。
つんく♂さんと一緒になって、対等な立場で楽曲を完成させていく権利
を得たという事だろうと思われるからです。


あとは歌い手が自分の感性をどこまで膨らませられるかにかかっている。


亜弥さん、
真希さん、
なつみさん、
ソニンさん。


みんな、頑張れです。