ひとという字は

坂本金八という教師の魅力は暖かさだと思うのですよ。


見た目は冴えないおじさんです。
教師をひけらかす事もなく、毎日、必死になって目の前の問題と向き合
っていきます。


その冴えないおじさんが、何故、教え子を惹きつけるのでしょう。


安心感。


先生はいつも自分たちの方を見ていてくれる。
そう思わせてくれるひとなのですね。


教師に一番求められる要素は学力ではないと思うのです。


どれだけ生徒と打ち解けられるか。
どこまで生徒と同じ視界でものが見られるかという事だと思います。


教え子と同じ話題のなかで、同じように感じる事ができれば、
教師は、お互いの立場を越えて友達になれます。


先生の話はかったるくて聞けない。
けれど、それが友達であれば聞く気になってもらえるものです。


坂本金八はそういう教え方を素でやれる教師なのですね。


彼が教え子を諭す時の内容は難しいです。
わざと薀蓄を話します。
何を言いたいのか意味がつかめない時もあります。


教え子に意味を理解してもらえたら素晴らしいことです。
されど、彼はあえてそれを望みません。


考える事の大切さ。
教師の言った事の意味を自分たちなりに推察してみる。
理解しようと努力する。
その行動を教え子に期待しているのだと思います。


坂本金八は、武田鉄矢さんがドラマのなかで演じた役柄でした。
いつの間にか、それが一人歩きをしています。


誰もが坂本金八のような教師にあこがれました。
その結果、武田さんが言及した内容は、そのまま金八先生の言葉として
聞くものに伝わるようになりました。


SMAP×SMAP」のゲストは武田鉄矢さんでした。


SMAPの4人は、武田さんの言葉に熱心に耳を傾けていましたが、彼らには、
武田さんの言葉が金八先生の言葉として伝わっていたと思います。