VICTORY!〜フットガールズの青春〜

スポ根とは挑戦、スポ根とは感動、スポ根とは「巨人の星」、「巨人の星」といえば魔球という感じで
仕立てられていましたね。


   足田蹴子(松浦亜弥)  …  星飛雄馬
   足田厳太(柳葉敏郎)  …  星 一徹
   花山時雄(吉沢 悠)  …  星 明子
   (畳店の職人さん)


キャラクター的には、こんな感じですか。


ドラマというのは制作者の推しというのがあると思うのですよ。
それによって、キャストの組み立てがかなり変わります。


①ストーリーを推すドラマ
   物語の内容が重視されるため、原作の雰囲気を逸脱しないような重い作品となります。
   当然、キャストは役柄を完璧にやりこなせるひとが選ばれます。


②キャストを推すドラマ
   アイドルが主演するドラマにありがちなのですが、演じている女の子(男の子でもいいですが)を
   どれだけ輝かせる事が出来るかというところに着目した作品となります。
   酷いものだと題名だけは原作通りで中身は別物なんて作品もあるくらいです。
   主役のまわりを名優が固めることで物語が成り立っています。


今回の作品は、当然、後者です。
でも、出来はすごくいいと思っています。
蹴子の少林サッカーばりの魔球「くやシュート」がドラマの見せ場でしたが、内容をそれだけに
終らせなかった。


あらすじを、
   ①蹴子が運動をさせてもらえなかった理由
   ②飛子が頑なにひとりにこだわった理由
   ③庵子が顔面に向かって来るボールを避けてしまう理由
   ④智恵美がボールを自分が思った方向に操れない理由
   ⑤惚美の恋の行方
に分散させた事でとてもいい作品になったと思います。


天一(蹴子の弟)は、本来なら存在しなくてもいい役だったと思います。
でも、子役であるが故の持ち味というものが発揮され、いろんなシーンに深みが生まれました。
彼はこの作品になくてはならない存在となっていました。


石川梨華率いるチアリーダーのオーディションは本編に全く関係ないあらすじだったのですが
ゴリエ、久本マチャミ、爆笑問題水前寺清子というゲスト陣を投入する事で本編を
盛り上げることに貢献しています。


主役の蹴子についてのあらすじが、かなり強引だなぁ…と思いました。
蹴子が運動させてもらえない理由が、母親がバレーボールの試合中に発作で死んだためとか、
何度も足を挫くシーンが盛り込まれているとか。(でも、何故かすぐ復活しているとか)


個人的にツボにはまったところがありました。
末永遥さん演じる、滝沢智恵美が駆使する「分度器パス」(ラストは「分度器シュート」)
彼女の足のまわりに分度器の軌跡が現れてボールを蹴り出す方向を指し示します。
ロボットものの映画やアニメのような映像で、ある意味、蹴子の「くやシュート」よりもカッキーと
思いました。


あと、あらすじには関係ないですが、加賀美早紀さんって吉澤ひとみに似てませんか。
飛田飛子の役って年齢さえ合えば、よっすぃ〜がやってもよかったなぁ。などど、ずっと、よっすぃ〜
ダブらせて観ていました。


エンディングの出演者全員による「Go Girl〜恋のヴィクトリー〜」は圧巻でしたね。
あややモーニング娘。の楽曲を踊っている姿が観れたので、とても得をした気分になりました。


何かお正月番組の東西かくし芸を観ているような感覚を味わいながら、半ば背筋が寒くなるような
ギャグを受け流しながら観ていましたが、決して不快にはなりませんでした。
痛快でした。
CGなしには完成し得なかったドラマではありました。