映画「ゴメンナサイ」所感。

「呪い」というのは制作側にとって都合の良い題材だと思う。
虚空から人間が現れようが、一瞬にして首が飛ぼうが何でもアリとなる。
常識ではありえない事象であっても、それが「呪い」という何だかわからない力であれば容認せざるを得ないからだ。
だから、怪異のおぞましさ(吃驚するとか、ゾッとするとか)に着目した映画が作られる。
それが一般的であり、でなければ売れない。
そういった観点からすれば、本編はかなりマニアックな作品だと思える。
何をして「呪い」とし、相手にどうすれば「呪い」を効果的に作用させられるか。
「呪い」は得体が知れない怨念の一人歩きなのでは決してなく叡智の結集である。
そういった観点で作られていたからだ。
そして、この映画の怖さは本編とは別の部分にある。
机に映っている詩織、由香、比那子の影が、桃子、愛理、雅となっている画像が公式サイトに掲載されているが、その画像がすべてを物語っていた気がする。
実際に観ないと実感できないだろうが、この映画は虚像(詩織、由香、比那子)と実像(桃子、愛理、雅)を曖昧にするような作り方がしてあったのだ。
観終わった後の落ち着かない気持ちが比那子の「呪い」に掛かったようでやたら怖くなった。
余談。
自分はお化け映えする女優さんが大好きです。
菅野美穂さん、栗山千明さん、佐伯日菜子さん、彼女たちが醸す妖しい雰囲気に惹かれるのでしょうね。
という事で、ニタリと笑うブラック雅ちゃん、かなり素敵でした。