これから。

ライブ(ダブルレインボウ)以来、亜弥さんが無性に恋しいのはどして?
ステージに幕が落ちた時に初めて感じた名残惜しさ、その正体について考えているうちに気づいたことがある。
あの時の彼女、苦しそうだったんだよね。
終始、平然と歌い続けるイメージの女の子が初めて魅せた苦悶の表情、それを目の当たりにした瞬間。
何だろな…、健気とか思っちゃったのかな。
目を閉じて歌う癖のあるひと、自分に酔っているような気がして好きになれなかった。
でも、それは間違いなんだ。
楽曲という素材を納得いくまでこねくり回して芸術の域に高めようとしている努力、それがあの表情だと気づけたから。
歌手であってもアーティスト(芸術家)と呼ばれる所以はそれなんだね、多分。
亜弥さんって損な性格だと思う。
本人は必死なんだよ、どんな時でも。
でも、客席までそれが伝わらない、笑顔が素敵すぎるからね。
苦しさを笑顔の下に隠して飛ばし続けるから焼き切れてしまったこともあった。
ダブルレインボウは良かったなあ。
経験のない曲風と格闘している彼女に見惚れてしまった。
綺麗に歌えればそりゃ素敵だけど、声なんて潰れてしまったらいいって、そうも思う。
自分の個性を追求するためにあえて声を潰したシンガーは今までいたし。
そんな衝動にかられるのは“崇拝”の対象が魅せてくれる奇跡にいつも浸っていたいって思うからなのだろうね、ファンなんて身勝手で貪欲だからさ。
声質の変化は魅力の妨げにはならないよ、ハスキーボイスを奏でる松浦亜弥には途轍もない破壊力があると思う。
亜弥さんの思ったとおりやってみればいいさ。
どう転んでもついていくから。