新しい個性。

フレーズの合間に少し長い溜めが入る楽曲がありますよね。
ライブでそういった曲が歌われると溜めの瞬間は静寂となります。
静寂の微妙な雰囲気が苦手なヲタさんはステージに向かって声をかけてしまい場の雰囲気を壊してしまったりします。
亜弥さんのライブでもそれはありました。
彼女の場合、投げかけに反応してくれる割合が高いので尚更だったのかもしれません。
最近、ヲタさんのマナーが向上していると思います。
誰もが静寂の余韻を楽しんでいるように感じられます。
亜弥さんの場合、溜めに入ると“喋るなよ”とばかりに周囲を見渡す仕草をするので聴く側も遣り易いです。
こういった雰囲気が作られ始めたのは「大人の涙」辺りからでしょうか。
亜弥さんがアカペラで歌うなどしてセットリストに趣向を凝らし世代に関係なく楽しめるライブを目指すようになってからですね。
歌に、楽しいトークについ惹き込まれてしまう瞬間、彼女しか見えなくなってしまう瞬間、それを感動だと仮定します。
亜弥さんはライブに参加してくれたひとに感動を与えるツボ(手ごたえ)を経験から学び取ったのだと思います。
そして、セットリスト如何に関わらず安定した反響が返るようになり、それが彼女の自信につながったのです。
近頃、ライブに参加したひとのレポから評論的な文章が消えてます。
セットリストからライブの出来(質)を推し量れなくなったからだと思っています。
周囲に可愛がられて、イジられて輝くのがアイドルです。
ヲタさんが静寂に我慢できない理由はそこに起因しています。
亜弥さんの場合はアイドルを主張しながら決して受身にならず自ら挑んでいます。
それは新しいアイドル像とは云えません、簡単に真似できないからです。
彼女はついに新しい個性を身につけましたね。
亜弥さんに興味がないひとにも躊躇なくライブを勧められるようになったのは自分だけでしょうか。
躊躇は“松浦亜弥はアイドルであり自分はアイドル推しである”という事実をあからさまにしてしまう気恥ずかしさから生まれます。
近頃、それがなくなりました、もし誰かにライブの印象を訊かれたら太鼓判を押すでしょうね。