価値。

久しぶりに「スッピンと涙。」のPVを観ていて気づいたことがあります。
映像の最後のシーンです。
歌詞でいうと、

鼻をかんだら
思い出達と「バイバイ」して
帰郷るね
THANK YOU! MEMORIES

の辺り。
歌詞の上からはわからないけれど、“帰郷るね”と、“THANK YOU!”の間にハミングっていうのかな、Um…という音を真希さんは入れます。
その時、僅かですが首が左右に揺れるんですね。
ハミングしてるので自然に揺れてしまったのでしょう。
でも、もしも真希さんがこの仕草に意味を持たせていたとしたなら、彼女はこの作品をかなり深く演じていたことになります。
“帰郷るね”に至るまでの歌詞は、楽しかった頃の思い出とか、上手に振舞えなかった自分の後悔とか、終わってしまった恋愛への未練を表現していますが、続く“THANK YOU!”からの一行は自分を成長させてくれた恋愛への感謝を表現しています。
彼女が過去の恋愛に踏ん切りをつけたことを意味づけているからです。
そういった意味から真希さんの仕草は絶妙なタイミングだったのですね。
彼女が詞の背景をイメージした上であえて演じたと仮定したのならこの映像は間違いなく名盤になるのではないのでしょうか。
世に出た当時は価値の高さに気づかれず後世になってから理解されるなんてまるで絵画みたいです。
余談ですけれど、映像を観てて何となく物悲しくなりました。
映像の中の彼女と、現在の真希さんをダブらせてしまったからだと思います。