写真が良くない。
喫煙なんかどーでもよくなった。
あそこに写されている顔ぶれ、記事の内容。
それがあいぼんさんの輝きをどんどん奪っていく。
自分にはそう感じられた。
あの写真を思い出した。
闇の中で亜弥さんはサングラスをかけていた。
ふつうのひとには見えない太陽。
その陽光から身を守るためのささやかな鎧がサングラスだったのだろう。
そしてあいぼんさんも同じ鎧を纏っていた。
彼女に鎧は似合わない。
鎧は人形に生命を与えてしまうから。
生命が宿らないほうが幸せな人形が存在したっていいと思う。