一期一会

亜弥さんがウタワラで久しぶりにアイドルをしていた。
アイドルの衣装は顔を小さく魅せる。
際立っていた大人な印象が形を潜めていた。
アイドル全開だった頃のボーイッシュな面立ちに戻っていた。
それが無性に嬉しくて。
自分の中にあの頃感じていたドキドキが蘇っていた。
亜弥さんの今だけを追い続けようと思っていたのに。
ありのままの彼女が感じられればそれでいいって決めていたのに。
意識的に抑えようとしても誤魔化せない真実ってあるんだね。
大人の雰囲気を漂わせ始めた彼女を頼もしく思うのも自分。
ピカピカのコスチュームで駆け回っていた頃の彼女が忘れられないのも自分。
そんな決め事なんて意味を持たなかった。
一期一会。
今迄、ずっと亜弥さんのことを見つめてきたんだから。