工夫

Mステを観ました。
砂を噛むように…NAMIDA」のテレビ初披露でした。
もう幾度となく音源で聴いた曲です。
解禁されたPVで見つめた曲です。
なのに、彼女の歌が始まるまで落ち着きませんでした。
初めてこの曲を耳にした時に感じた彼女の伸びやかな歌声。
初めてPVを目にした時に感じた彼女の大人びた表情。
彼女がスタジオで歌ったなら自分の中で膨らんだ夢(イメージ)はどうなってしまうのだろう。
それが気がかりだったのです。
亜弥さんが歌い始めました。
微笑みながら視線を正面からゆっくり流し言葉をかみ締めるように歌う。
広げた手のひらを揺らしてリズムを取る。
近頃は珍しくなくなった彼女がバラードを歌う時の表現方法です。
自分は歌にずっと集中してました。
歌っている彼女をずっと見つめてました。
微笑みを絶やさず、さりげない雰囲気のまま歌うというのは今迄と同じです。
ただ、今回は声に明確な抑揚があったように感じました。
それは音源にはなかった新しい工夫です。
録音された声には生命がありません。
彼女は意識して声に抑揚を付けることで歌を生かそうとしたのではないのだろうか。
そう感じた途端、心が振るへ始めました。
背筋がゾクゾクしてきました。
松浦亜弥が歌い始めた自分らしい音楽、その胎動が感じられました。