ホログラム

衛星波で放送された「101回目のKISS」を観る。
会場にいる時のような高揚感はないものの不思議な気持ちになる。
亜弥さんが懐かしい。
自宅であれば踊らなくてもいいし、拍手をしなくてもいいし、声援を送らなくてもいいから、彼女のことをじっくり観察出来る。
顔がすぐ傍にあるから、歌っている時や、お喋りしている時の表情まで、つぶさに感じとる事が出来る。
彼女と同じ瞬間を過ごした感覚が身体の何処かに書き留められていて映像に同期するように膨らんでいく。
目の前がまるでホログラムのように輝き出す。
アカペラの時、彼女はああしてリズムをあわせていたのだな。とか。
100回のKISS」の途中に挿入された溜めは彼女の歌声の微妙な揺れと相まって堪らない余韻を生んでいたのだな。とか。
あの時は見えてなかった様々な魅力が怒涛の如く脳裏に流れ込んでくる。
コンサートの帰り道で感じた充足感は本物だったことが知らされる。
単独コンではなかったけれど、彼女だけでは実現し得なかった素晴らしいコンサートであったと思う。