きっさまあー!

衛星波で上戸彩さんの「あずみ」を観る。
封切当時、映画館で観ようと思いつつ機会を逃してしまった作品だ。


彩さんには二面性があると思う。
バラエティーに出演している時の彼女はアイドルそのものに見える。
発想が突飛でどこか抜けているような感じを受ける。
ドラマや映画に出演している時の彼女はバラエティーの時と全く別人のように見える。
難しい役柄を淡々とこなす、女優としての天性が感じられる。


彼女が出演しているから観る、自分は上戸彩についてそういった見方をしない。
彼女が自分の与えられた役柄をどうイメージし表現するか、それが知りたくて期待する。


今回、彩さんはあずみを普通の女の子として演じているように感じられる。
刺客としての技量や、状況判断能力や、思い切りの良さは当然普通の女の子のものではない。
けれど、休息時に思い浮かべる事や、片想いしてしまった男の子を見つめるまなざしや、女性の着物を着させてもらって紅をさしてもらった時の幸せそうな表情は普通の女の子そのものだった。
普通の女の子として生きたいという気持ちとそれを許してくれない時代への怒りがすごく伝わってきた。


殺陣については見事としか言いようがない。
斬りつけられる速度、
向かってくる刃をかいくぐり体勢を立て直す速度、
体位を入れ替える時の身体の回転の美しさ、
斬り倒されて噴出す血飛沫、
斬られた勢いに負けて吹っ飛ぶ敵の姿、
それらをハイ、スローに切り替えながら映していく。
対峙した敵の200人斬り、忍者との乱闘、ラストでのオダギリジョーさんとの死闘など彼女が吹き替え無しでこなしたとはとても思えなかった。


監督さんに感謝したいのは彩さんをアイドル的に起用したのではないところ。
あずみを生かせる女優として本腰をいれてくれたところだった。


この映画は痛快だと思った。
あずみを見ていると気持ちが切なくなった。
いろんな感情がない交ぜに押し寄せた。
それって、つまり絶賛なのだと思う。


これの続編が作られている。
あずみという女の子に再会できる日が待ち遠しい。