座頭市

北野武監督の市っあんを観ました、面白かったっす。
おじさんは本家勝新太郎さんの市っあんも知ってます。
あの頃は幼かったしTVでやっていたのをただ観ていただけなんですが。


勝さんの座頭市は雰囲気が重かったですよ、彼は体型がどっしりしていたのでそのせいもあったのかもしれません。
北野さんの座頭市は速いですね、太刀筋が見えない。
気づくと相手の身体がパックリ割れて血が噴出すシーンになっています。


お互いの間合いに入るまではどちらにも動きがなく、間合いに入った途端に一瞬にして勝敗が決する、これが日本の時代劇の醍醐味です。
でも、こういった駆け引きをする映画って日本だけじゃなくて海外にもあります、西部劇です。
拳銃を抜く相手の動きを見切って一瞬早く引き金を引く。
映像が静から動へ移り変わる僅かの時間のドキドキは同質のものですね。


北野監督がスゴイと思われるのは下駄タップの映像です。
下駄タップは彼がかなり前に新春かくし芸で披露した技でした。
実際はお祭りのシーンなんですが、それをタップにデフォルメして表現している。
出演した主な役者さん(映画の中で切り殺されてないひとだけ)が一緒になってタップを踏むじゃないですか、祭囃子にあわせてみんなで踊っている絵なんですね。
おそらく海外の方に好評だったのはこのシーンのせいもあったと思います。


映画の良し悪しは映画が終わった後の自分の状態でわかると思います。
余韻で一瞬でも、数秒でも、数分でもじんわりしてしまった映画であれば、その映画は自分にとって良作だったといえるでしょう。