原点

カントリー娘。大全集①を聴いた。
ゆっくり歌詞をかみ締めるように、りんねさんや、あさみさんが歌う。


曲の背景がすごくよく伝わってくるし、しみじみ聴ける。
詞の内容を一字一句大切に歌うようにという、義剛さんや、つんく♂さんの教えがこのアルバムに詰まっているのだ。


これは原点だと思う。
カントリー娘。ばかりではなく、モーニング娘。もそうだった。


詞をかみ締めて歌う。
背景や心を理解して歌う。


そうだったはずだ。


あの頃、つんく♂さんが彼女たちに歌わせていた楽曲は歌詞に登場する女の子が生きていた。
楽曲を歌う彼女たちが生かしていたと思う。


つんく♂さんの曲風が変わり、ノリを重視しはじめた。
詞の背景を彼女たちにダブらせて想像し辛くなってきた。
新しく生み出される楽曲に賛否両論が極端になってきたのはそのせいなのだと思う。


現在でもかろうじて詞の背景を大切に曲作りされているのは真希さんなのではないのだろうか。
だから彼女の楽曲に否定的な意見はあまり聞かれない。
彼女が歌う楽曲に登場する女の子はそのまま後藤真希の姿に重ねあわすことが出来るから。


カントリー娘。は特殊なユニットだと思っている。
このユニットに関わった他のグループのメンバーは自分の才能を開花させることができるようだ。


石川梨華さんがそうだった。
義剛さんから引き継がれたこのユニットを率いるために彼女は出向していたわけだが、つんく♂さんはそのことによって、梨華さんの才能に気づくこととなる。


グループは個人の集まりであるのだけれども、ひとりの個性が突出してしまってはグループとしての印象がぼやけてしまう。
梨華さんは出しゃばらなかった。
かといって、呑まれて臆することもなかった。
他のメンバーを上手に盛り上げてグループ全体として気持ちを高めさせることをやってのけた。
彼女がいた頃のカントリー娘。が和気藹々と感じられたのはそのせいだと思っている。
おそらく、梨華さんが美勇伝をやることになった発端はここにあったのだろう。


現在のカントリー娘。ミキティ色が濃くなってしまっている。
藤本美貴のユニットと言い換えてもいいほど彼女の印象が強い。
もともと彼女はソロでやってきたひとなのだから、それだけの個性は持ち合わせているわけで、そうなることは予想できたのだけれど。


もうそろそろ、彼女をソロに戻してあげてはいかがだろうか。
そうはいっても、安倍なつみ後藤真希松浦亜弥という三様の個性があるなかで彼女がどう自分を出していけるのかが見えないという気持ちも否定できない。
やはり、ソロ復帰は難しいのかなあ。


以前から何度かカントリー娘。について書いている。
カントリー娘。は、自分にとってそういった役目をしてくれるグループなのかもしれない。
久しぶりにこのサイトをやり始めた頃の自分に戻れた気がした。