役割

亜弥さんの「ひこうき雲」の映像を観ている。


彼女が歌う。


ひろげた腕をゆっくり持ち上げて、
その両手のひらを胸のところでゆっくりと握り締めて、
少し微笑んで、そしてうつむいて、
もう一度顔をあげた時には、彼女はどこか遠い目をしていて。


真っ青な空が、浮かぶ白い雲が、亜弥さんに重なって、
まるで彼女の心を映し出しているかのように。


大きく映し出された彼女の表情は、いったい何処を見ているのだろうか。
透明な唇の輝きは清純を意味するのだろう。


そして、気持ちがすごく和んでいることに気づく。
癒されている。


彼女の担った役割はこれなのではないのだろうかと感じた。