精霊流し

僕らの音楽」のゲストは、さだまさしさんでした。


彼の音楽は、聴くんじゃなくって感じるものだと思っています。


イントロが始まって、歌い出しに入る。
自分は歌っている彼を観ているつもりになっているのですが、いつの間にか視界から彼の姿は消えているんですよね。


彼の楽曲は、起承転結がしっかりしています。
だから、詞の情景がはっきり脳裏に浮かんでくるんです。


歌を聴いていたつもりが、自分の作り出した詞の情景をずっと追い始めているんです。
それは、まるで映画を観ているかのよう。


周囲の余分な音を一切感じなくなって、
自分に届いているのは、彼の奏でるバイオリンの音色と、
彼の歌声が飛躍されて作り出された情景だけ。


”生み出されるまでが音楽で、それ以降の作業は副産物にすぎない。
 だから、音楽なんてたいした事じゃない。”


さださんが師と仰ぐ、ポール・サイモンさんの言葉にも感動しました。
芸術とは、そのひとの感性を指すのであって作品のことではない。
そういう意味合いなのではないのだろうかと自分なりに解釈しました。


喜怒哀楽をひとなりの表現で切々と歌い上げる。
さださんの楽曲は若い頃からずっと聴いてきました。
だから、今回もほんの少し彼の世界に浸らせて頂きました。