バラードの手法

久しぶりに、亜弥さんの「遠距離の恋愛」を聴いてみました、ピーチのc/w曲です。
ピーチのインパクトが強くて当時は聴き流してしまっていたのですが、聴き直してみるとかなりいいです。


当時、歳相応にハジケまくっていた頃の彼女には不似合いな歌詞と曲調なので、この曲がライブで歌われたことはなかったような…。
(間違っていたらスマソ)
どちらかというと、今の彼女が歌うべきバラードなのですね。


100KISSの時といい、つんく♂さんは彼女にバラードを求める傾向があります。
亜弥さんの実力が追いつかないにも関わらず。
それが彼の先見であり、見当違いでないのがスゴイところなのですが。


「遠距離の恋愛」が気持ちを切なくさせる理由は、歌詞の表現方法にあると思います。
同じ語句、もしくは、同じような言い回しを繰り返すことによって気持ちを高めていくんですね。


恋人になれないままね
このままなら きっと無理ね


本当のこと言わない 言えない
引越しするみたい 私


離れてしまったら
すぐに 会えなくなる
離れてしまったら
近い子がいいでしょ?


あなたは
なんにも知らなくていい
私に振られただけなのよ
なんにも知らない方が いいわ…


それなのに電話したい
今以上に好きになるわ


わざと冷たい言葉
使ってるのにあなた
やさしくしてくれる
やさしくしてくれる


二人は
どうして出会ったのよ
もっといろいろ知りたかった
どうして出会ったのよ どうして…


亜弥さんの楽曲で、繰り返しの手法を使わないバラードに、「初めて唇を重ねた夜」や、「THE LAST NIGHT」があります。
こちらの場合は”切なさ”よりも、”刹那さ”が際立ってきます。
「遠距離の恋愛」が彼と離れることによって自分の本当の気持ちに気づいたという恋愛発展未満の状態なのに対し、「初めて唇を重ねた夜」は恋愛進行中であり、「THE LAST NIGHT」は破局を歌ったものなので切なさの度合いが違うのは当然だと思います。
「遠距離の恋愛」と同じ心情を歌った楽曲であれば、真希さんの「さよならのラブソング」でしょうか。


これは主観ですが、つんく♂さんの気合いが入った時は、曲を提供する歌い手のためのみならず、つんく♂さん自身が歌っても映えるようなフレーズになるんですね。
(なつみさんの「だって生きていかなくちゃ」が発売された時も同じ感覚を受けました。)


亜弥さんに「遠距離の恋愛」を歌ってもらいたいですね。


今の彼女で聴きたいです。
(もし聴いたら泣けちゃうかなあ…)