哀愁
中澤裕子。
ハロプロの大御所、モーニング娘。の初期メンバー。
わたしは、彼女のことを哀愁の女王と称しています。(勝手にね)
ハロプロで哀愁を表現させたら彼女の右に出るものはいないと思っていて。
例えば、「ゆ・う・わ・く」という名曲がありますが、
この楽曲はピアノ演奏だけなのですね。
それに彼女の歌声が重なる。
第1フレーズからたまらない切なさが溢れ出すわけで。
胸がしめつけられる程なのです。
感性はひとそれぞれなのですが、
彼女の声質はピアノにとても合うと思うのです。
”薄幸”
そんな印象を彼女の歌詞に抱いてしまうのですね。
「二人暮し」という楽曲があります。
これも名曲です。
”うまくいくと思ったのに…”
”あなたとずっと一緒にいたかったのに…”
幸せであったはずの生活が色あせていく感覚。
誰のせいでもなく、自然と冷めていくふたり。
”わたしを見て、”
”笑って、”
”昔のように話して。”
”どうして…”
”いつからそうなってしまったの、私たち。”
この曲を作ったつんく♂さんはスゴイと思います。
けれど、もし、歌い手が中澤ねーさんでなかったなら、
これほどの効果は望めなかったでしょう。
この曲をカラオケのレパートリーに入れている友人がいるのですが。
96点を叩き出すのですよ。
男性ですよ。
彼はスゴク下手なんです。
語弊がありますね、下手に聞こえるんです。
棒読みのように歌う。
淡々と。
まぁ、男が歌うハロプロ系の歌なんてこんなものだよね。
なんて思っていると、得点に驚愕させられる。
秘訣をきいてみたんです。
”いやぁ、別に…。”
予想通りの間の抜けた返答があるわけで。
男性に、しかも見るからにぱっとしないダチに、
しかも、中澤ねーさんで96点を叩き出されると、真剣に悔しいわけで。
研究しましたよ。
中澤ねーさんじゃないですよ。
ダチの発声をです。
口を大きく開けて。
一語づつをしっかり発音する。
曲に流されないように、1フレーズの区切りで声を切る。
観察しているとそんな事が見えて来ました。
挑戦しましたよ。
彼のいない時にね。
驚きました。86点が出せたのです。
彼にはとても及ばない得点でしたが。
彼の歌い方から学んだ事でした。
おそらく、中澤ねーさんも同様の発声をしているのでしょう。
そこから生まれる哀愁なのでしょうね。