つんく♂さんの世界


対談本「てっぺん
この本を読んでつんく♂さんの本音にふれる事が出来、「傑男(をとこ)」をかし。に
相応しいと感じここに書く事にした。


ただ、感想を書くにあたり本からの引用はやめることにした。
つんく♂さんの本当がわたしが書いたことで間違って伝わってほしくないためである。
本から感じた事柄を全部自分の解釈で書こうと思う。


今のハロプロの方向性について
   わたしは、プロデュースとは何か。そこをもっと考察すべきだったと思う。
   モーニング娘。を産み育てて、そこで終止符を打つのであれば、それはプロジェクトで
   あって、プロデュースではない。
   モーニング娘。は起点だった。
   彼はモーニング娘。を魁に世界に通用するアーティストの地盤を作ろうとしているようだ。
   キッズ計画がそれで、今の子供たちは生まれた時から英語に馴染んだ環境で育って
   いる強みがあるため、英語圏に進出させても抵抗なくこなしていけるという
   目算のもとに、才能の片鱗が見えた子供は今のうちから訓練し才能を開花させる
   思惑があったのだ。


ユニット乱発について
   以前、わたしは「ハロプロLEGOブロック構想」で大妄想したが、方向性は
   的を得ていたようである。
   つんく♂さんは商売というよりも、娘。ひとり一人の事をもの凄く大切に考えている。
   ”このコは娘。のなかでは、輝くことが出来ないが環境を変えてやれば一番に輝く事が
   できる。”と発想する。
   例として挙げられていたのは、チャーミーだった。
   当初の彼女は確かに、娘。のなかではパッとしなかった。
   それが、カントリー娘。の支援にあてた途端、カントリー娘。を食ってしまったのだ。
   そして、それが自信となりモーニング娘。の中心をこなすように成長した。
   まりっぺは”セクシービーム”をこなした事で一皮むけたそうだ。
   つんく♂さんは娘。をアイドルだと見ていない。
   以前、わたしが「アイドルとアーティストの違い」で書いた通り、彼女たちに「自分たちは
   アイドルじゃなく歌手だと思え」といつも言っているようである。


ミキティの娘。参入について
   前述の延長でもある。
   彼女たちも機械ではないため同じ事を繰り返していると辛くなる時期があるそうで
   その辺りを見越して流れを変えてやる。休ませてやる。頑張らせてやるという事が
   大切だそうだ。(メリハリというのだろうか)
   以前、わたしが「娘。とミキティ」、「松浦亜弥」の中で書いた時に登場した
   彼女たちの戦い方(自分の領域の構築)という表現(考え方)が的を得ていたようで、
   当人が得意とする環境に置いてやる事で気持ちに余裕をもたせる事ができ、また、
   グループとなったことで自分を向上させようとする意欲をもたせる事ができるそうで、
   結果、当人の才能を伸ばすことができるという思惑だった。
   あややがずっとソロで頑張れるのは驚異的で、それが継続できる理由は
   「毎回がデビュー作」、与えられた楽曲に合わせて毎回全く新しい領域を彼女が構築できる
   せいだろうという事だった。


楽曲作出のアイディアについて
   何と、毎回彼女たちが歌っている楽曲のネタは彼女たちが提供しているようである。
   つんく♂さんがネタを出せと強要している訳ではない。
   彼女たちは思春期、青春真っ只中である。
   異性について、恋について、遊びについて、たくさん知りたい事がありそれを質問する
   相手としてつんく♂さんは恰好の的なのだ。
   つんく♂さんは、彼女たちの関心事 = 同年代の女の子の関心事という発想で
   それを詞に書き彼女たちに与えるのである。
   みんなに訴える曲でなく、誰かをターゲットにひとりに感動してもらえる歌を
   いつも書いているそうである。


今まで書いたことをまとめると、つんく♂さんにユニットという意識はない。
娘。ひとり一人を観察し彼女たちの伸ばしてやりたい才能を見つけると、それが最大限に
発揮できる環境(ユニット)を提供してやるのだ。
グループ、ユニットという囲いにこだわっているのはヲタたちばかり。
そんなちっぽけな囲いは取り除き、ひとり一人の魅力を引き出してやる事で、いずれ卒業して
いかなければならない彼女たちの将来を考えているのだった。


…。
まてよ、状況が許せばあややの娘。参入もあり得るという事か。
大波乱の予感だ。


つんく♂さんのプロデュースは、われわれヲタの思惑と全く次元が違ったものだった。
常に未来を展望するつんく♂さんと、形式にこだわり、過去を振り返る事しかしないヲタたち。
わたしたちは、本当に彼女たちの事を考えているといえるのだろうか。
彼女たちの輝きの妨げになるようなヲタならばやめてしまったほうがよいのではないか
と感じさせてくれた本だった。


…・…・…・…・…・…・…・…・…・…・

むふ、むふふ。ちょっと、自画自賛


わたしの大妄想も結構的を得ていて何かうれしくなった。
いいセンいってんじゃ〜ん。である。
(これ書かなきゃ格好よく終われるのになぁ…とほほ。)