アイドルとアーティストの違い


アイドルとアーティストの違いを自分の尺度で推し量る。


たとえば、浜崎あゆみ宇多田ヒカルはアーティストだと思う。
モーニング娘。はどうか。アイドルだろう。
では、松浦亜弥はどうか。
わたし的に彼女はアーティストだと思っている


そもそも、何を基準にアイドルと言うのか。
”偶像”という意味だそうだ。
そういえば、以前、「「天然最強少女 ソニン」を読んで」で少しだけふれた事が
あった。


   アイドル  =  人形


あの時は話の流れにまかせて書いたのだが的を得ていたようだ。
偶像崇拝
偶像であるからこそ、アイドルは姿を変えてはいけない。
なっちはあどけないまま、モーニング娘。のなっちであり、オトナを醸し出す
安倍なつみは存在してはならないのだ。


では、アーティストはどうか。
”美術家”、”芸術家”、”演奏家”などの意味がある。
直訳すれば歌手には当てはまらない。
では、何故歌手をアーティストと呼ぶのか。


美術家、芸術家、演奏家に共通して言えることはものを作り出す事。
描くもの、土を捏ねるもの、曲を奏でるもの、共通するのは創造。
想い、イメージ。


何となく解ってきた気がする。


アイドルというのは人形であるから与えられた楽曲を作者の思い通りに
歌うことができればいいのだ。人形に意思はいらないのである。
確かに往年のアイドルは、歌が下手でも可愛ければよいという思想のもとに
生産されていた気がする。
ブレイクすれば酷いスケジュールで歌い続けなけれなならず、逆に反響が
得られなければ何もなかったかのように消された。
わたし的に人気が落ちたり、何らかの理由で芸能界を去らなければならなく
なった時、必ずといっていいほどその歌手のヌード写真集が出版される風潮が
我慢ならなかった。


その観点から考えれば、多分、今の時代にアイドルはひとりもいない。


つんく♂さんをはじめ、いろんなひとが楽曲をプロデュースし、たくさんの
歌手が歌い上げている。
その場合、何も考えず与えられたまま歌っている歌手なんかいない。
モーニング娘。を例にとっても、ひとりひとりが与えられたパートを自分の
ものにしょうと苦しみ、自分だったらとイメージし、精一杯の1フレーズを
創り出しているに決まっているのだ。
与えられた詞にどれだけ入り込めるかで楽曲の完成度は変わる。
アーティストでなければ、アクター(俳優)、アクトレス(女優)と言って
もいいと思う。


偶像という意味でのアイドルは今も生き残っている。
しかし、アイドルたちが歌う時、彼女(彼)たちはアイドルではなく、
アーティストなのだ。