ひとそれぞれの色


ひとそれぞれの色(イメージカラー)について考える。


上戸彩という女優がいる。
女優であり、アーティストでもある。
初めてお目にかかった時は、「小粒の山口百恵だなぁ…」なんて
思ったのだが、実力も印象に負けない娘だった。


   Pureness
   kizuna
   MESSAGE / PERSONAL
   感傷 / MERMAID


彼女の楽曲である。
わたしの主観だが、彼女のどの楽曲もイメージカラーは黒、もしくはグレー
そんな気がした。
彼女をそのイメージ(硬派)で売りたいという主催者側の思惑もあるだろうし
それは十分成功していて、わたしも彼女のカラーは黒だと思っている。


黒。
彼女の場合は漆黒である。純粋な黒であるが故に逆に光沢を放つのだ。
イケてるのである。


そんな彼女だが、トーク番組やCMとなるとイメージが全く変わってしまう。
何処からも硬派を感じさせない普通の(いや、ちょっとハジケすぎかな)娘っ子に
変貌する。
ギャップをうまく利用して彼女に興味が湧くように持っていく、目が離せなく
なるように演出しているのだ。


奇妙。
観るものからすればそう映る。
たとえば、”上戸彩と結婚したいと思うか”という問いがあった時に
ヲタだったら諸手をあげて肯定するだろうが、一般人だったら敬遠するかも
しれない。


素と演技の境界がはっきりしない。
演技を生業にするものにとって、とても重要な事だと思っている。
実像を見せないからどんなモノにも化けられるのだ。


竹中直人さんもそんな男優さんだ。
故、松田勇作さんに「おまえは、何なんだ。」と問われたそうである。
素と演技の狭間が名優をもってしても解らなかったのである。
彼(松田勇作さん)のスゴイところは本人に、しかも率直に聞けるところだと思う。


話を戻そう。
カラーが切り替わる事で観るものの印象はかなり変わるという事だ。
それを松浦亜弥に照らしてみよう。


今現在の松浦亜弥のカラーとは何だろうか。
わたし的に、あややは近頃ハジケ色が似合わなくなってきていると思う。
GOOD BYE 夏男」の時は、”だいぶ無理をしているな”
なんて感じた。
けれど、違和感の理由はわからなかった。


最近、新曲「THE LAST NIGHT」のPVを少しだけ観る機会に恵まれた。
落ち葉のなかでオーケストラを前に歌うあやや。(ちょっと観ただけなんで
記憶がかなり曖昧だが)
落ち着いていてとてもさまになって見えた。


あっ。
そうか、そうだったんだ…
唐突に違和感の理由がわかった気がした。


アイドルからアーティストへの変貌。


あややはひとつ境界を越えたのではないのだろうか。
年齢的にはまだまだアイドル。激しいフリで訴える曲が似合いなのだが
彼女の実力がそれを許さなくなってきているのではないだろうか。
オーケストラを率いて歌い上げる、そんな色が似合い始めたのだ。


モーニング娘。にしても同じ事が言えると思う。
既製に囚われず、ひとりひとりのカラーを踏まえたパートを振ってやる事で
彼女たちはもっと輝けると思う。


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